第三話

「人いねえなあ」
「ほんとだね」
並んで歩きながら、二人は顔を見合わせた。
「これなら私服に着替えてこなくてもよかったかな?」
透が苦笑する。
「ま、念には念をって奴だよな」
「そうだね……それにしても、放課後まで待ってもよかったんじゃない?」
「いいじゃんか。今すぐ来たかったんだよ……おお、でっかー」
透の目の前。水槽の中でマンボウが悠然と漂っている。半分眠ったような瞳と、半開きの口。
何とも言えない愛嬌がある魚だ。
「なんかさあ、こいつ章介に似てるよなー」
ぺしぺし水槽を叩いて、透が笑う。
「……いや……そうでもないと思うけど……」
「似てる。特に眼がエロそうなところが似てる」
「うう……」
いつもの二人の関係どおり、専ら透が話しかけ、それに章介が応えた。
ちょっとのろかったり、顔が間抜けだったりする魚介類を見るたびに、透は『章介に似てる』
と言って笑った。
そうしているうちに、透が『関係者以外立ち入り禁止』の札を見つけて、当たり前のように
奥に進んで行った。
行き止まりになっていたそこは、特に変わったものもなく、ただ周りの水槽に魚がいない以外は、
他と変わりなかった。
恐らく当初の予定ではここにも魚が入る予定だったのだろうが、予算か何かの関係でなくなった
のだろう。あるいはこれから入るのか、それとも前は魚がいたのが何処かに移されたのかも知れない。
「静かだなー、ここ……」
「うん。静かだね」
近くにあった水槽に、透がそっと背中を預けた。「ふぅ……」息を吐き、ややあって口を開く。
「なあ章介」
「何?」
「セックスしよう」
石化した章介に、あっけらかんと透が続ける。
「最近さあ、俺やばいんだよな。お前とお尻でエッチするの、すげー気持ちいいんだ……あ……?」
章介の股間が目に見えて膨れだしたのを見、透が苦笑する。
「へへ……。しかもな……俺、なんか、そうやってお前が俺を見て勃っちまうのが、なんか
最近嬉しいんだよ」
「え、ええ……!?」
「そうやってお前がちんこガチガチにしてると、何て言うかなあ。女の本能? って奴なのか、
お腹が、きゅぅってなるんだよ」
へその下の周辺を、透が小さな手で撫で回す。恐らく子宮があるだろう位置だ。
「こうやってデートしてみて、わかったよ。俺、お前に惚れちゃったみたいだ」
「ほっ、ほっ、ほっ――惚れたぁ!?」
「だって、お前が隣にいるって思うと、胸がどきどきするし」
透の唇を、ぺろりと舌が舐める。
「それにさあ、さっきからお前とエッチなことしてる妄想が止まんなくて……。これって、
やっぱりお前に恋しちまったのに違いないって、俺確信した」
それはもしかして、単に欲情してるだけなんじゃあないかと小一時間問い詰めたい気持ちはあった。
だが章介は日和った。と言うか、むしろ、透を後押しした。
「そ、そうだね…そうかも…僕も、透を……透のこと……好きだよ……」
透の顔が一瞬で赤く染まる。
「へ……へへへへ……な、何か照れるな……。これって……告白って奴だよなあ?」
「う、うん。そうだね。告白だね」
「うふ、ふ、へへへへへ……」
「ははははは……」
顔を見合わせて、二人は笑った。胸の奥から聞こえる良心と理性の声に、必死に抗いながら
章介は笑っていた。――ひとしきり笑ったところで、透がおずおずと言う。
「……ん。んっと。それじゃあ……」
「うん?」
「ほっ……ホテル、いこうか……?」
「そ、れっ、て……ラブホテル――!?」
「大声出すなっ! ……ぃ、いや……初めてが、ラブホってのは、ちょっとなあ……」
「じゃ、じゃあどうするの……?」
心底情けない顔をして、章介は呟いた。
「……僕、お金ないよ……」
暫しの沈黙の後、透も囁くように言った。
「……俺も、ない……」
「……どうしよう」 「……女物の服とか、いっぱい買ったからなあ。他にもゲームとか買ったから、貯金ほとんど
吹っ飛んじゃったし……」
「バイト……する?」
「……で、でも……金貯めてる間、ずっとお尻でし続けたりしたら、俺、まじでお尻でしか
イケなくなっちゃうかも知れないし……」
『その間、お尻でしなければいいじゃん』との突っ込みを、章介は入れなかった。もしここで
入れる人間がいたら、手刀で首を刎ねられるそうなほどだった。
透の台詞が脳内でリフレインする。『お尻でしかイケなくなっちゃう』『お尻でしか』
『イケない』『お尻』『イク』――

『おねがいっ、おねがあい! 俺のお尻、章介のぉっ、しょうすけのっ、おちんちんで
いっぱい犯してぇっ! もう透のちんぽでしか、俺っ、イケなくなっちゃんだよぅぅぅっ!
 章介ええっ!』
「……おい章介?」
「はっ!?」
「何ボーっとしてるんだ?」

一瞬あっちの世界に行ってしまうほどリアルな妄想だった。「い、いやなんでもない……
冷や汗をかきながら、何とか答える。
「ふーん。……はぁ。それにしてもどうすっかなあ」
何気なく、透が胸の前で腕組みした。透には何の他意もなかった。
だが章介には違う。透の大き過ぎるわけでも、かと言って洗濯板でもない、章介の理想の
サイズの胸。まだ一度も触らせてもらったことのない、あの神秘の膨らみが、今まさに思いっ切り
強調されて目に飛び込んできたのだった。
「――透」
「ん? 何だ。何か思いついたのか?」
「うん」
「え? ほんと? どんなのだ?」
「簡単だよ。あのね透。
――ここですればいいんだよ」
透が口を開けて硬直した瞬間、章介が後ろに回り込んだ。理性など当の昔にどっかに吹っ飛び、
殆ど握り締めるような力で、章介は透の胸を下から押し上げるように掴んでいた。
「いっ……てぇぇぇっ! 馬鹿ぁっ!? いきなりなにすんだ章介っ!」
何も応えず、章介は透の乳房を、黙々と揉み始めた。
「ひゃっ、ひっ、うあ、うあ、うあっ? うぁっ! きゃあ!? ひゃぁっ! ひゃあっ!」
気持ちいいというより、痛い。いや、気持ちよくて、尚且つ痛い。
「ば、馬鹿ぁっ! ふざけんなこの野郎っ! ぶん殴るぞっ!」
「殴ってもいいよ……それだけのことをしてるんだから……」
押し殺したような章介の声はやけに不気味だったが、頭に血が上った透はそんなこと気にしなかった。
「おお! 殴ったらぁっ!」
「でもね……やめておいたほうがいいよ」
ぐりっ。
「ひゃぁぁぁぁっ!?」
振り上げた拳は、章介の放ったちょっとした一撃で腰砕けになった。
「あ、あぅ、はぁっ、はぁっ、はぁぁ……?」
「そう……乳首触られたの、そんなに気持ちよかった? 透って、本当に敏感なんだね」
ぐりっ、ぐりっ!
「んああああっ! しょ、章介っ! やめろぉっっ!」
「こんなに乳首大きくしておいて、いまさら何言ってるの? 気持ちいいんでしょ? 
素直になりなよ透……」
「う、うるさぁぁい! あんっ、こっ、これはぁっ。これはぁっ」
「これは? 一体なんだって言うの?」
「こ、れはぁっ……、ひっ、だっだから、えと、かっ、蚊に食われたんだよっ!」
「虫刺されだって言うの?」
「そうだよっ!」 
「それじゃあ掻いてあげるよ」
……かりっ!
「ひぃぃっ!? だっ、駄目ぇっ!」
「ああそうか。掻いたら余計に痒くなっちゃうもんね? こういう時は……爪で×印を付けると
痒みが収まるんだよ」
そう言って、章介が透の乳首に爪を立てた瞬間だった。
「――! しっ、死ねええええええっ!」
透の後頭部がもの凄い勢いで章介の顎を捕らえた。アホみたいににやけていた章介の口は強引に
閉じらされ、一瞬思いっ切り舌を噛んでしまっていた。
「ふぶ――っ!?」
思わず章介が両手を口にやった次の瞬間、透は跳ねた。
「殺ッ!」
即頭部への回し蹴りが綺麗に決まった。
「     」
呻き声すら上げる暇なく、章介は吹っ飛んだ。
「痛いって言ってんだろこの薄馬鹿ー!」
「……ず……ずびばぜん……」
少し持ち直し、口から溢れる血を押さえながら章介がふらふらと立ち上がる。
「……ったく。言っておくけど、お前が悪いんだからな。謝らないからな」
「うん……」
うなだれる章介を、しばらく床と天井と交代で見ていたかと思うと、不意に透は頭を掻き毟った。
「――あーっ! クソっ。章介っ」
透の手が章介の後頭部を掴み、そのまま自分の方に引き寄せる。
――ちゅっ。
「……へ!?」
「も……もっと優しくやれよな! 本当に痛かったんだぞ!」
「ごめんなさい……」
透はふん、と鼻を鳴らした。
「……あー血の味がする」
ぺろぺろ口の周りに付いた血を舐め取りながら、透がひとりごちる。動き回る舌を思わず
凝視している自分に気付いた瞬間、透は怒ったように言った。
「おい……何やってんだよ。さっさと続きしろよ」

……………

薄手のジーンズの中に手を入れた途端、濡れた感触が伝わってきた。
「うはぁっ!? ちょっ、いきなり過ぎだっ」
「ご、ごめん」
慌てて引き抜こうとした章介の手を、透が掴んで止める。
「え……?」
「だっ、誰もやめろとは言ってない……」
透は顔を赤くしたまま、自分もジーンズの中に手を入れて、章介の手と重ね合わせると、
そっと洪水の元に導いていった。
「……っ! や、柔らかぁ……」
タンポンを入れてくれと頼まれたあの日、強引に一瞬指を入れたことはあったが、殆ど感触
を味わっている暇などなかったし、お尻でするようになってからも、絶対に透はここを触ら
せてくれなかったから、章介にとって、それはまさに未知の触感といってよかった。
「へへ…。毎日オナニーしてたからな」
「へっ!?」
「ん…だってさぁ……。お前のすっごくでっかいからさ……よーくいじって慣らしてして
おかないと、裂けちゃったら困るじゃん……」
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ……。布が擦れる音に混じって、はっきりと水気を含んだ
音が聞こえてくる。
「はぁ……。な、章介…ここ……このっ、そう、これ……っ、いじって…?」
「こっ、これ?」
小さな出っ張りを、言われるままにそっと指で撫でると、透が悩ましげに眉宇を寄せた。
「違う…。もっと、強くていいから……」
「う、うん」
そう言われたから、章介はその出っ張りを『ぎゅっ』、と押してみた。 
「――ひゃあああっっ!?」
がくん! 思いっ切り透が仰け反る。一瞬透のからだから力が抜け、倒れる前に慌てて
両脇に腕を通して支える。
「と、透っ!?」
「………………章介」 透はよろよろと立ち上がり、
「強過ぎるわボケェェェっ!」
がすっ!
「ぶはぁぁぁっ!?」
……肘鉄を入れた。
「もうちょっと加減しろっ。この薄馬鹿!」
「ご、ごめん……」
頬を押さえながらも、章介はおずおずと言った。
「ね、あのさ透……ジーンズ脱いだ方がいいと思うよ……?」
「え? うわぁ!」
先程イッてしまったせいだろう。ジーンズの股間に、目に見えて染みが出来ている
。 「たぁぁっ、お前のせいだぞ馬鹿っ。さっさと乾かさなきゃ……」
透がジーンズを足元まで引き下ろす。そうやってから後で足首を通すのが、昔からの透の癖だった。
じっとりと濡れたショーツが、何ら遮るものなく章介の目の前に晒される。その下の白く滑らかな
地肌が透き通って見える。先程まで触っていた、柔らかくて暖かい、透の――
「――あー。マ○コぐっちゃぐちゃだよ」
ぷちん。
「――透っ!」
「え? ちょぉっ!? 章介っ!?」
背後から覆いかぶさってきたと思うと、章介は強引に股間に手をやった。
「わぁっ! だ駄目っ、へっ、うあっつあんまっ、つまんじゃあっ、あっ? あ、やあああっっ!」
イッたばかりの敏感な身体には、ちょっとした刺激で充分だった。ショーツの布を貫くほどの
勢いで潮が噴き出すのを感じながら、ジーンズが足を繋いでいるせいもあり、透は足をもつれ
させてひっくり返った。
「わっ! ……いったぁぁー」
咄嗟に出した手が、じんじん痺れて痛い。
「あぐっ!?」
倒れた透を、腰を掴んだ章介が強引に引っ張り起こす。そしてそのまま水槽に押し付けるよう
にして透を立たせると、章介はズボンのベルトを外した。
「あっ? あっ熱っ、章介っ?」
ひどく熱いものが、性器のすぐ下の太股を叩いた。それが何かは訊かなくてもわかっていたが、
それでも言わずにはいられない。
「しょ、章介? こ、これってこれっ――」
「……いくよ、透」
衝撃は、章介が『透』と言い終わるより、ほんの少し先だった。

「……っ……あっ。あああああああっ!」
「――! は、入った……入ったよ、入ったよ透っ!」
章介は、半分近く透の中に埋まっていた。透が自分で言っただけあって、よくほぐれたそこは、
溢れる蜜も相まって、思いのほかスムーズに章介を受け止めることが出来たようだった。
透の中はひどく狭く、それでいて信じられないくらい心地よかった。まるで異物を排除するかの
ような強烈な締め付けに、今にもイキそうになる。
だがそれでも、章介は透を気遣うことを忘れなかった。挿入の瞬間から、凍り付いたように
動かない透に、章介は恐る恐る声をかけた。
「……だ……大丈夫? 透…?」
「…………………………」
「透……? あっ、あの、さっ。どうしても苦しいようだったら……その……今日はこれで……
やめ、ようか……?」
ものすごく嫌だったが、それでも何とか歯を食いしばりながら、そう言った瞬間だった。
「……っっ! やだっ!章介っ! やめちゃやだっ!」
涙声でそう言うと、透は思い切りあそこを締め上げたのだ。
「わぁぁっ!?」
ぎゅうぎゅうに締め付けられた尿道を、いまだかつてないほど濃厚な精液が昇ってくる。
あまりの勢いに周囲の粘膜が削れていくような錯覚を覚えながら、章介は果てた。
「うああ……? 章介ぇ……? すっごい、すっごいびくっ、びくっって、ちんこぉ、
跳ねてるぞぉ……? これって、イッてるのか? 俺の中で、精液出しちゃってるのかぁ……?」
「うん……。ごめん……透……。うぁっ……! はぁっ、ぼ、僕、中に出しちゃった……」 
「別にいいよ……俺ぇ、確か安全日だからさ……。まだ安定してないって藤野先生は
言ってたけど……。へへ……俺……これで、完璧に女の子になっちまったな……」
感じているのか、透は細かく震えながらそう言った。
「ごめん……痛かったよね……」
「そんなに謝るなよぉ……」透が笑う。「もしできちまってたら、責任とって養育費くれれば
それでいいからさ……」
「……ここは、普通『結婚しろ』でしょ……?」
「ばあか……。十年早いっての…。もっといい男になったら考えてやるよ」
「ふふ……。それじゃ、あっ……がん、ばらないと、ね……」
こぽ……、と小さな音を立て、章介のペニスが抜き取られる。その直後、透はふらふらながらも
慌てて言った。
「あっ…? ば、馬鹿っ。抜いちゃ駄目だ」
「え……でも……」
右手の人差し指と中指で入口を拡げると、透は本当に呆れているように言い放った。
「俺がまだイッてないだろ……? それにまだ全部入ってないじゃないか。ちゃんと俺が
気持ちよくなるまで休んじゃ駄目だからな」
破瓜の血はとっくの昔に精液と愛液に洗い流されてしまっていた。だが、それでなくとも
透がちょっと前まで正真正銘の処女だったとは、処女を奪った等の本人でも信じられまい。
「ふぅぅぅんっ! しょーすけぇ……そこっ、ちんこのさきっちょでぐりってしてぇ……?」
「うん……!」
章介のペニスが、奥の一点を強く抉った瞬間、透が白い喉を剥き出しにして呻いた。
「はぁぁぁぅうっ! ……………いっ、イッたぁぁぁ……」
もう何度イッたのか、透はとっくの昔に数えていなかった。元男だからなのか、意識しなくとも
そんなに声は出なかったが、そうでなければ今頃は猥褻罪で逮捕されているのに間違いない。
章介が何度イッたのかは覚えていて、最初の中出しを含めて、今は四回射精しているはずだった。
あの後再び章介のちんこが入ってきて、一番奥まで章介が届いた瞬間自分がイッてしまったのは
何とか覚えている。その後からは愛液と中に出された精液でどろどろになったま○この中を
ちんこがいったり来たりするたび、イキっぱなしだった。
章介が二回目の中出しを教えてくれなかったら、そのまま気絶していたかも知れない。それくらい
快感に没頭していた。
二回目の後ちんこを抜いてしまった章介を責めると、さすがに二回連続はきついと言った。
自分が男だった頃は――かなり早かったけれど――三回ぐらいなら連続でイケたのに。
仕方ないから、フェラチオをしてやった。
章介の男臭い匂いが、自分の甘酸っぱくて生臭いのと混じって、何と言うか、『エロい』
以外に形容詞が見つからないような、凄い――だけどそんなに嫌でもない匂いだった。
しょっぱくて、苦くて。酸っぱくて、苦くて……。夢中になって舐めているうちに、口の中に
射精されてしまっていた。
濃厚な絞りたてを独り占めするのは良心がとがめたので、口移しで半分分けてやった。
半泣きの章介を笑いながら、舌を絡めたりして遊んでいたら、すぐに硬くなって来た。
ほんのちょっと休んでいただけなのに、ほぼ新品だけあって、再び入れた時には我ながらきつかった。
血が集まりすぎて玉みたいに膨れた亀頭が、敏感な粘膜をゴリガリ引っ掻いて進んでいくのは
ひたすらイケた。
その内に特に感じるところがわかってくると、そこを重点的に突くように注文を付けてみた。
一言で言うと、凄かった。二言だと、もの凄く気持ちよかった。
でも、同じくらい章介のちんこが、ぱぁん! ぱぁん! といい音を立てて出たり入ったり
するのも大好きだと思う。
最初の、犬みたいな四つんばい状態からは体位を変えて、今は向かい合ってエッチしていた。
ぱぁん! 肌が打ち合って音が鳴るたびに、クリトリスがつぶれるようになって、
滅茶苦茶気持ちいい。後ろを向いてするのも、奥の奥までずるっ、と入っていいけれど、
こうやって向かい合ってするのも大好きだ。
「はぁっ! しょーすけぇ。章介の毛ぇ、ちくちくして気持ちいいよぉ」
章介の短くて硬い陰毛は、殆ど毛がない透のま○この、特にクリトリスを刺激した。
多分限界まで大きくなっているはずだけど、まだ皮を被ったままだ。剥いたらどれくらい
凄いことになるのか興味はあったが、とりあえず、今は充分イキ続けているから、また
今度のお楽しみにしておこう。
「ううっ……! 透っ! あ、あんまり締めないで……! ま、ま、た、出ちゃうぅ……」
「だってぇ。自然に締まっちまうんだよぉ。俺のま○こ、章介のちんこイかせたくてさぁ、
しょうがないんだよ。だからイッちまえ。そしたらまたちんこしゃぶって大きくしてやるから」
「うぁぁ、うぁぁ、うぁぁぁっっ!」
「イクのかしょーすけぇっ!? 俺もっ! 俺もイクっ! イこう!? 一緒に、イこうぅっ!?」
「あっああああっ!」
章介が叫ぶ。叫びながら、射精する。それが何だかとても嬉しくて、透はまたイッてしまった。

「うわぁ……。章介、激しすぎ……。処女膜、跡形もねぇじゃん……」
小陰唇をちょっと拡げるだけで、粘液が途切れ途切れでなく繋がって噴き出してくる。
どろどろで見えにくいが、はっきりとわかった。ネットで見た無修正画像を見て、ああ、
これが処女膜なんだなあ、と言うものを透は自分の中に見つけていた。
だが今ではそれが痕跡すら残っていない。周りの膣壁と綺麗に繋がっている感じだ。出血も、
完全に止まっている。
「……………」
ぐったりと虚脱し、天井を見ながら章介は転がっていた。
間違いなく一か月分は射精した。もう何をどうやっても勃たない。疲れ過ぎて、逆に眠る
ことすら出来ない。
「大分、汚しちまったなぁ……しっかし、本当に空いててよかったぜ。そうでなったら、
幾ら何でも声でばれてたよなあ。いやあ、よかったよかった」
どうして透はあんなに元気なのかと、不思議に思うのすら疲れる。
「さてと……。ほら立て、逃げるぞ」
どうして逃げなければならないのかぐらいはまだ理解できたが、わかっていても身体が動かない。
いや、動く気力がなかった。……ないと思っていた。透が股間に顔を埋めるまでは。
「んー。ちゅっ。ほら、お目覚めのキスだぞー? 起きろコラ。おーきーろー。帰ったら早速、
バイトの計画をたてなきゃならないんだからな」
何故『バイト』と言う単語が今出てくるのかわからなかった。そしてわかった瞬間、どこに
そんな力が残っていたのかわからないが、章介は飛び起きていた。
「だってこんなとこで初体験なんて、何かアレじゃん。女として駄目じゃん。もっとムード
のあるところでやらなきゃな」
「!!?」
愕然とする章介の鈴口を、舌先で弄いながら、透はニヤッと笑った。
「明日から早速バイトだぞー。がんばれっ。まっ、こんなところで襲ったお前の自業自得
だからな。ちゃんと責任取れよ」
へへへ……。これだけは女になってもかわらない、子供っぽい微笑みを浮かべて、透はとどめ
の一言を放った。
「これからもよろしくな章介。す・え・な・が・く。なっ?」

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